筋膜性疼痛について①
皆さんこんにちは
今回は
筋膜性疼痛
についてです。
なぜ解剖学を学ぶ必要があるのかはこちらから
筋膜性疼痛に対しては、
内服薬・注射や鍼などの侵襲的治療・施術・運動療法・栄養療法があります。
今回は、薬物療法と侵襲的治療と非侵襲的治療について書きます。
1.薬物療法
筋膜性疼痛の薬としては、鎮痛剤や筋弛緩薬が処方されることが一般的です。
薬物療法に用いる主な薬は、非ステロイド性消炎鎮痛薬、ステロイド、麻酔薬、オピオイド、鎮痛補助鎖などがあります。
2.侵襲的治療
(1)局所麻酔注射
長い間の筋膜癒着は、自然治癒は難しいです。
このような場合、食塩水や局麻剤を癒着部に注入して剥離させることを考えます。
局所麻酔注射は筋筋膜性疼痛症候群による疼痛の緩和において、第一選択にすべき施術法と指摘する研究者もいます。
ペインクリニックの適応疾患のなかで、肩凝りや腰痛症に代表される筋筋膜性疼痛症侯群が占める割合は大きく、また、他の疾患においても二次的な筋緊張を生じている症例が多くあります。
(2)鍼施術
ファッシア(筋膜)内に針先を入れ、癒着を剥がすように運動針を行います。典型的には肩甲骨と肋骨間の筋膜癒着で、肩甲骨内縁を刺入点とし、肩甲骨と肋骨間内に深刺しつつ、肩関節の外旋運動をしてもらいます。
3.非侵襲的施術
(1) 筋膜リリース
筋膜リリースは、筋膜の癒着・拘縮を弛緩させることによって、筋肉・筋膜を中心に全身に起きてくる諸症状を改善させます。
短縮した筋膜を圧迫したり、ストレッチしたりして、制限を解放(リリース)することを、筋膜リリースと呼びます。
100秒以上持続圧をかけると弛み始め、元の状態に戻って行きます。
コラーゲン線維が弛むと共に、周辺の体液循環も促進され、痛み刺激が緩和し短縮した線維の損傷が改善していきます。
筋膜の緊張が亢進すると受容器の閾値が低下して過敏状態になり、痛みを感じやすくなってしまいます。
違う部分からアプローチして、痛みが軽減したり、動作改善したりする場合は、神経的な部分の影響の可能性が高いと言えます。
対処の際には筋だけでなく、神経・血管・内臓・硬膜など脊髄や脳を包み込み、全身でつながっている広義の筋膜のイメージをもつことが大切です。
この全身のつながりと、結合組織の特徴を意識することがトリートメント効果に大きく影響します。
適切に対処すると、次の変化が起こる可能性があります。